御節の準備

今日のデパ地下、ちょっと有名な材料屋さんの店先で聞いた、ご夫婦の会話。

夫「あ、黒豆、煮ないのかい?」
妻「こっちでいいのよ(瓶詰めを手にとって)」
夫「コッチの豆は?(丹波の黒豆の袋入りを手にとって)」
妻「なにいってんのよ、作ったってあんまり食べないじゃない、毎年毎年残るばっかりで。」
夫「いや、食べるよ」
妻「豆浸して、煮て、何日かかると思っているのよ!だからこっちでいいの!」

と、いうわけで、瓶詰めをお買い求めになっていました。


ああ、はいはい。わかりますわかります。

御節って本当は男の人が好きなお料理は少ないんじゃないでしょうか。甘い料理ばかりだし。
お正月だから、作ってもらって悪いから一応食べるけれど、実はさっさと片付けて他のものが食べたいんじゃないの?すき焼とか、肉じゃがとか、カレーとかでもいいし。

飽きちゃうんでしょうね。同じものが続くしね。肉料理少ないし。


うちは作りますよ。手作りで家の味にすれば、どうにか食べるけれど、買ったものだったら箸もつけない可能性ありですよね。だから作るんです。文化の継承という意味も考えていたのは、子どもたちが小さいときだけですが。


でも、今は贅沢で、一通りの御節のほかに何か隠しだまがないとご馳走感がないような。元旦も夜になったら、御節はおつまみで、メインはローストビーフとか肉料理をださないとだめ?、みたいな。


御節も大変なんです。昔と違って、健康志向で薄味好み、その上暖房が効いている。元来保存食だったはずの御節を、いちいち冷蔵庫にしまって、それをものによっては火を通しなおして熱々を盛り付けなおして。終ればまたパックしなおして冷蔵庫に。庫内は立体パズルのよう。レンジ周りは煮しめの鍋がタワーのよう。(蓋をすれば重ねておけるタイプなんで積み上げられるのですが)

ごろごろテレビを観ているだけの家族に、正月早々むかむかと腹が立ってくるというわけです。


子供たちだってもう、栗きんとんが大好きでバクバク食べる・・・なんていう時代は終わったようですし。煮物や乾物料理はそれでなくてもあんまり食べないし。これでもし、御節を作らないお宅のお嬢さんがお嫁に来たりしたら、わたしはどうすりゃいいのでしょうか。


選択肢1.ここぞとばかりに、御節を作ってご披露する。(出費:中ぐらい)
選択肢2.いい機会だから、やめて、いっそみんなでホテルでお正月とか。(出欠大サービスの可能性アリ)
選択肢3.年始まわり無用。各家庭で過ごす。(出費:極小)

ま、嫁が来なければ始まりませんので、妄想で頭のなかぐるぐるしているわけですが。


とにかく!縮小傾向は否めませんが、意地でも御節を作る!わけです。いまのところ。


黒豆、例の夫婦のやり取りのとばっちりで、ちょっと高い豆を買ってしまいました(ばかみたい)。なので、気合を入れて煮ております。

家族で楽しいお正月。
皆さんどう過ごされますか?