<a href="http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/index.html" target="_blank">浮世絵 太田記念美術館</a>

<特別展>「江戸園芸花尽くし」

10月1日から25日(前期)
11月1日から26日(後期)

江戸時代の園芸文化を、浮世絵の中から探る…という特別展が開催されています。

菊や万年青、梅の木、朝顔の鉢植え、牡丹、杜若、つりしのぶ、福寿草などなど四季折々の草木を、庭先だけでなく、床の間や窓辺、縁側など生活の中で楽しむ庶民の様子が描かれています。

植木市や植木屋の店先の様子を描いた浮世絵、歌舞伎役者が扮した植木売りの絵もいくつか展示がありました。また、今も残る花の名所で花見を楽しむ人々の様子も、生き生きと描かれています。


いつの時代も、好みの植物を育て花を愛でる心は変わらないものなのでしょう。お出かけのおみやげに、気に入った鉢植えを買って帰り、家で育てて楽しむ…。私たちと、何にも変わりませんね。飾り鉢の展示もありました。園芸の手引き、子供向けの植物図録もありました。値引きを迫る買い物客や、どちらにしようかと迷うお客の様子を描いたもの。いろいろと想像が広がり、観ているだけでもわくわくしました。



日本の園芸文化の歴史は古く、その技術の高さは海外でも定評があるといいます。実際のノウハウは、植木屋さんや専門家、愛好家たちの秘密で、弟子入りして長年修行を積んで体得していくもの。一般人には手の届かないものなのでしょう。

そういうわけで、和風の庭園は職人が作るもの、自分の庭は「なんちゃってイングリッシュ」になってしまうのも、仕方がないのかもしれません。

でも、もっと身近な、なんだか懐かしい、子供のころのご近所の庭先が、江戸時代の浮世絵の中にそのままあったような気がして、物思いにふけりながら静かな美術鑑賞のひと時でした。

後期も行ってみようと思います。