人体改造


息子がレーシックをやるとメールで連絡してきたときは、本当にびっくりした。3週間前のことだ。もう社会人だし、親がとやかく言うことではないと思いながらも、「これから行くから…」とあまりに簡単にいうので、思わず「ちょっと待った!」をかけてしまった。

最近の若い人たちは、どんどんやっているらしい。帰りには視界もすっきり…というような話も聞いたと、まささん。仮にも目の手術。そんなに簡単にいくわけがない。トラブルになった話を、新聞の連載で読んだばかり。「石橋をたたいて渡らない」慎重派の息子が、そんなに軽率に決めてくるわけはないのだが。本当に大丈夫なんだろうか。

幼いころから、昆虫だとか石だとか小さなものばかり見ている子だった。空がきれいとか海がきれいとか言ったことがなかった。そのうち、本やらゲームやら。気がついた時には、かなりの近視。とりあえず眼鏡を作りましょうといわれて、親としては随分ショックだった。

何せ母親は、ずっと視力2.0。両親眼鏡なのに、よくもまあ…といわれた。社会人になって眼鏡を使うようになったが、30歳過ぎにバドミントンを再開して視力が回復。40過ぎて運転も眼鏡がいらなくなった。今は、遠視と乱視と老眼。近視以外全部ってこと?。一番面倒だと、眼科で言われた。

未来の治療と思っていたレーシックが、そんなに進んでいるとは知らなかった。近視でいるのも、コンタクトが合わないだとか、消毒がうまくいかず目のトラブルだとか、眼鏡で頭痛だとか、いろいろ大変なのだそうだが、なにも持って生まれたレンズを削がなくても…と思うのは親のエゴでしょうか。話し合いの結果、資金を援助して、もう少し上のコースで手術を受けることになった。どれほど違うかわからないが、せめてもの親心。そして昨日が手術。

目から焦げくさい臭いがしてショックだったとのこと。痛みもあるし、目薬を差し続けなければいけないとか、眠ってはいけないとか、視力はでたようだけれど、まだ曇りがあるとか。今週、仕事になるんだろうか。なにしろ目の手術。そんなに簡単なわけがない。順調に回復してくれるといいのだが。


先日の、父の白内障の手術も、結構大変だった。不幸な事故がないとして、あとは患者自身が指示どおり自己管理できるかにかかっている。目薬を何種類も。とてもじゃないけれど、覚えられない。
勧める時は夢のようなお話ばかり。じゃあお願いします・・となると、必要なプロセスは「脅し」の連続。医師としても責任問題だから、言っておかないといけないことは山ほどあるわけ。それでも本当にやりますか?と、念には念を入れた確認作業。なんだか最初と話が違う。だんだん決心が揺らいでくると、「でもみなさん見えるようになっていますから」…。本当なんだろうか。揺れ動くおじいちゃん心。


結局、両目やりました。見えるようになったんだか、どうなんだか。視力が安定するまで3カ月といわれた。脳のほうも曇ってきていて、結果はどうだか、本人ははっきり言わない。


現代人、目を酷使しすぎなんですね。美しいものばかりみていたいのに、そうもいかないですからね。
もっと大事に使わないとね。