江戸東京野菜

某お醤油メーカー主催のお料理教室にいってきました。


今回、私は初参加でしたが
(大人の食教室 特別編 食の集う江戸・東京・日本橋)3回シリーズの最終回でした。

江戸東京・伝統野菜研究会 代表 大竹道茂先生から、江戸から伝わる地域の野菜と、ブランディングの動きについてご紹介がありました。そのあと、日本橋の「割烹 とよだ」5代目の橋本亨さんのご指導で、江戸東京野菜を使ったお料理の作り方と試食会。おみやげまでいただいて、とても盛りだくさんなイベントでした。

京都に京野菜があるように、江戸にも江戸の野菜があったということを改めて知りました。流通が発達していなかった時代には、野菜にも地域性が色濃かったのでしょう。時期に合わせて様々な野菜がで回る・・。特に江戸は、参勤交代で地方から様々な種子が持ち込まれたということで、江戸の土地になじむもの、なじまなかったもの、独特の栽培方法が工夫されて江戸野菜となったものなど、当時のくらしをうかがい知る逸話など興味深かったです。

東京の野菜というと、独活(うど)ぐらいしか頭に浮かびませんでしたが、他にもたくさん・・・。こんなにあったのと驚くばかりです。伝統野菜の種を保存していくには、連続して栽培すること第一で、相当数の種子を確保しそのなかから特徴を強く残しているものを選別し育てていくという手間と時間がかかる作業が必要だというお話でした。

f:id:halchan80:20081103151712j:image
これは亀戸大根。小ぶりの大根です。この写真は会場で展示のあったものですが、伝統的には尾を引く亀の甲羅のように美しい丸型に結束されるということで、江戸文化の心意気を感じるものです。


そのほか、
練馬ダイコン
大蔵ダイコン
馬込三寸ニンジン
馬込半白キュウリ
品川大長カブ
三河島エダマメ
谷中ショウガ
山下千歳白菜
新宿(にいじゅく)一本ネギ
ノラゴボウ菜
伝統小松菜
金町コカブ
シントリ菜
川口エンドウ
小山田ミツバ
滝野川ゴボウ
奥多摩ワサビ

詳しくは
大竹道茂の江戸東京野菜ネット


名前は聞いたことがあるけれど・・・というものや、全国区ではないんだ・・・と改めて気がつくものがありました。日頃、いかに無意識に野菜を扱っているかと反省するところが大きいです。


江戸野菜には、それぞれの特徴を生かしたお料理がふさわしい・・・というとこで、お料理4品のご紹介がありました。

東京独活とささみの山ワサビ和え
小松菜と油揚げの煮びたし
穴子大根
独活の皮の時雨煮

f:id:halchan80:20081103151506j:image
写真は穴子大根です。焼いた穴子と味を含ませた大根の炊き合わせです。天盛りにゆずとつる菜、唐草大根をあしらって、見た目もとても美しい。焼いた穴子の香ばしさと、練馬大根のしっかりした風味が味わい深いお料理です。


おなじみのお料理もありましたが、ちょっとした下ごしらえ、ちょっとしたひと手間にそれぞれ大切な意味がある・・・というところから日頃のお料理を大切にしなければと、反省しました。

食物自給率の問題や、農薬の問題、食品の偽装など、食に対する意識が問われる機会が多かった一年です。質素だけれどとても豊かな江戸の食文化に思いを馳せるよい機会でした。地産地消を見直そうとはいわれていますが、その文化としての意味の大きさを改めて感じました。