犬養先生
進行性核上性麻痺と診断されて、4年?余命3年とか言われた記憶があるのですが、いたって元気です。ちょっと最近は足腰が弱ってきているようですが、それは生活パターンのせいなのではないかと思います。
本も最近はあまり読んでいないようで・・・。ボーっとしている時間帯が増えている感じもしますが、いろいろなお話ができるので楽しいです。
今日は突然中学生の時の話に・・・。バスで席を譲らなかったことが先生にばれて学校で注意されたけれど、だからといって急に譲るようになるのも変なのでそのまま押し通したということ。偶然見た人に名前がばれるという、地域ではかなり有名な大家族だったのでしょう。なにしろお兄さんが7人いたのですから。
- 作者: 松信八十男
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- 発売日: 1999/11
- メディア: 単行本
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そして犬養先生に作文をほめられた話に。朝の三渓園の様子を作文に書いたら、犬養先生にとても気に入られたということでした。漢語がお好きでなかった先生が、父が使った漢語に追加の点数をくださって104点をいただいたそうで、その後も長きにわたって、生徒が集う機会には珍しく父も顔を出していたようです。
犬養先生というのは、万葉学者とされてる犬養孝氏です。
何年ごろの話は聞き出せませんでしたが、父の住んでいた温泉地の家に犬養先生がお越しになったということでした。そのときに、「これを育てると万葉集にも出てくる花が咲くから…」といってはまゆうの球根をくださったそうです。父はそれを植えたのですが、枯らしてしまったようで花が咲いた記憶はないということでした。
ゆっくりのんびり話を聞いていると、こんな素敵な話がぽっと出てくるのです。
そんな時間がどんなにかけがえのないものなのか、身にしみて感じる昨今です。
桜も咲くし、三渓園に行こうと誘ってみたのですが、
「行きたい気もするけれど、行かない・・・」とのこと。思い出が強すぎて、行かれないんだそうです。
そういう心境になるのですね、父上・・・。