手術か保存か

アキレス腱を断裂したとき、私は迷わず手術しましたが、保存治療でもスポーツ選手が現役復帰をするという昨今、迷うところです。先日断裂した友達は、今週無事に手術を済ませ、気持ち的にもだいぶ落ち着いた様子。なによりです。

最初は、体にメスを入れたくない!ということで保存治療を強く望んでいましたが、ギプスの期間があまりに長いということや、主治医の勧めもあって、手術する決心がついたようです。

麻酔や手術もそれぞれのリスクはあり、体への負担はもちろんありますが、長期のギプスもかなりの負担です。その期間のクオリティーオブライフや家族の生活も考えなければなりません。期間が長い分の筋力の低下など、リハビリもそれ相応に大変なのではと思います。

痛い思いをしても、手術したんだ!縫い合わせたんだ!という事実は、大きな安心材料にはなるでしょう。保存治療で、本当につながるんだろうか…という不安は、どのように克服されていくのでしょうか。それはもう、担当医の説明次第、フォロー次第ではないでしょうか。手術で縫い合わせたとしても、再断裂するのでは…、もう一方の足も断裂するのでは…という不安に常にさいなまれていたように思います。保存治療はそれ以前に、本当につながるのだろうか…という不安があるのではと思います。治りが遅ければ、ギプスの期間が追加されるという、かなりがっかりなこともあるそうです。保存治療を選んだならば、その分の気持のフォローをちゃんとしてくれる病院であってほしいです。


私は、断裂直後に局所麻酔で縫い合わせてもらうことになり、それが「自分で納得のいく治療」だったということが一番大切かもしれません。友達のけがが、改めていろいろ思い起こすきっかけになりました。


もし、最初にかかった先生が、保存治療派でそういう症例もたくさんあるようだったら、保存治療になっていたのかもしれません。保存治療をそれとなく勧める先生だったら、「どうしても手術してくれ!」とは言わなかったかもしれません。


ほとんどの場合、突然のケガに治療法の予備知識などあるはずもなく、最初の説明に納得がいかなければ病院を変えるなどという余裕はないでしょう。たまたま現場に、断裂経験者や応急処置や治療法についての知識がある人がいれば、とても心強いですが、ここぞとばかりに先輩面していろいろ蘊蓄をたれる…というのも、変な先入観をもたせることになりはしないかと気になります。

ただ、それなりにお役に立てれば、いろいろな痛い経験も、した甲斐があったものだと、思うわけですが。

経験者であっても、「こうすればアキレス腱断裂は避けられる!」というような「きめ手」的なアドバイスは、残念ながらできない。
もう、こういうけが人が出ませんよう!にと、お祈りするすかない。
けがというものは、すべてそういうものなのかもしれません。